手段が目的化してしまう5つのパターンと心がけたいこと
手段を目的化する人っていますよね。
手段を目的化する組織もありますよね。
SIer(下請け) → 製造業ITエンジニア という経歴の私が
『手段が目的化してしまう5つのパターン』
を書きます。
目次
背景
SIerの仕事は、めちゃくちゃ簡単に言うと 事業会社の望むITシステムを構築する ことです。ここにいた頃も手段が目的化するという現象はあったと思います。ですが、さほど気になりませんでした。なぜなら
IT(手段) ≒ ITシステム(目的)
であったからだと考えます。
しかし、製造業に転職して感じました。
『手段が目的化しすぎ!』
こりゃいかんです。由々しき事態。
しかもこれを由々しき事態と感じていない人間のなんと多いことか。
そういった人たちに、事態をうまく伝えられるように自分の考え方を整理しつつ、同じ悩みを抱える同志たちのお役に立てればと思い、この記事を書きます。
手段が目的化すると何がいけないのか
ズバリ、失敗するからです。
手段が目的化する多くは、そもそも課題を設定していないケースです。
つまり、手段→目的ではなく、手段=目的なのです! 最初から!
これではいけませんね。
Where there's a will, there's a way.
(意志あるところに道は開ける ― リンカーン)
意志なきところに道は無し!失敗して当然!
解決すべき課題 を明確にしないまま仕事を進めていくと以下のような事態に陥ることがあります。
- 『そもそも課題ってなんだっけ状態』
- 『そもそも課題ってなんだっけって思うことすらない状態』
- 『お金や労力をかけて不要なものを作ってしまった現象』
- 『必要以上のスペックを作り込んでしまった現象』
- 『他に方法がなかったんです!(いや、あるやろ!)現象』
手段が目的化してしまう5つのパターン
では手段が目的化するのはどういったときでしょうか? ここではありそうなパターンを5つ挙げています。
① 何も考えていないパターン
悪質度★☆☆
淡々と言われたことをやっている会社員に多いパターンです。
課題なき手段を進める構成員として無意識のうちに手段の目的化に貢献してしまっています。
② カナヅチしか持っていないパターン
悪質度★☆☆
スキルや考え方の幅、柔軟性が足りないときにこのパターンに陥ります。
カナヅチしか持っていなければ、すべての問題は釘に見えてくる。
(マズローのハンマーの法則)
この法則は 「限られた手段しか持たない、あるいは、固定概念や過去の成功体験から限られた手段に固執することで、問題の本質を正しく捉えられなくなること」 を意味しています。
③ 趣味が入ってくるパターン
悪質度★★☆
手段が目的化することを趣味という。
(オーディオ評論家 長岡鉄男)
自分の趣味に他人を付き合わせてはいけません。
④ バズワードに踊らされるパターン
悪質度★★☆
This is 手段の目的化!! というほど私の経験の中では定番です。
ビッグデータ、IoT、DXなどなど、数多のバズワードに会社が踊らされている現場を目撃します。それらはすべて手段ですよ。
⑤ 管理ばっかりしちゃうパターン
悪質度★★★
手段に応じてタスクや責任を割り振り、その進捗の確認こそが自分の仕事だと決めているパターン。
進捗にフォーカスしすぎていて課題を見ていない。一見すると仕事をしているように見えますが、終わってみれば大した価値を生み出せていなかったり、費用対効果が異様に低かったりします。
上司がこのパターンだと大変です(多いと思う)。
やってる感があるだけに悪質です。
パターンに陥らない心がけ
手段の目的化は、規模の大小はあれど身の回りの様々なところで起きている。自分なりにパターンを整理してみて、わかったことは
『解決すべき課題』や『成すべきミッション』を明確にすること
知識やスキルの幅を広げること
エゴを捨てること
あたりを日常から心がけていれば、道を外れることも減るし、軌道修正する機会もあるかなと思いました。